こんにちは。
これまでイラク戦争をはじめ、多くの戦争に強い関心を持ち調査をしている湯浅と申します。
特に、戦争が起こった後の国はどのように復興していくのかというところに興味を持っています。
現在でもウクライナとロシアの戦争は続いていますが、今後どのような形で戦争が終わり、両国はどのようにして平穏な暮らしを取り戻すのかも非常に気になっています。
そんな中、2023年10月7日に新たな戦争が勃発しました。
武装組織ハマスがイスラエルに対し攻撃を開始したのです。
ということで今回は、ハマスとは一体なんなのか?
なぜ戦争は起こってしまったのか?という点をお伝えしたいと思います。
なぜ開戦したのか?
イスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃が発生しました。
これに対してイスラエル軍もパレスチナのガザ地区への空爆を行い、ハマス側もイスラエルロケット弾を発射しています。
現在も多くの民間人が犠牲になったり、人質に取られるなどの状況が続いています。
今回のイスラエルとパレスチナの紛争も、両者が同じ土地を自分たちの祖国と主張していることが大きな要因として考えられています。
この土地は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地とされており、古代から多くの民族や宗教が交錯してきました。
19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパで迫害されていたユダヤ人たちは、この土地に自分たちの国家を建設することを目指しました。
しかし、これに反発したアラブ人たちは、自分たちの民族主義運動を展開しました。
第一次世界大戦後、この土地はイギリスの委任統治領となりましたが、イギリスはユダヤ人とアラブ人の要求を調整することができなかったのです。
1947年、国連はこの土地をユダヤ人国家とアラブ人国家に分割する決議案を採択しましたが、アラブ側はこれを拒否しました。
すると翌年の1948年、イギリスが委任統治を終了すると、ユダヤ人指導者たちはイスラエルの独立を宣言。
これに対して、周辺のアラブ諸国がイスラエルに侵攻することになりました。
こうして、第一次中東戦争が勃発しました。
以後、イスラエルとアラブ諸国やパレスチナ人組織との間には数々の戦争やテロが繰り返されました。
また、イスラエルはエルサレムを自分たちの首都と主張していますが、パレスチナ側も同じくエルサレムを自分たちの首都と主張しています。このように、イスラエルとパレスチナの紛争は、歴史的な背景や宗教的な対立から発生してしまったのです。
ハマスとは
ハマスの正式名称はイスラム抵抗運動といいます。
現地の意味では「情熱」を意味するそうです。
ハマスは1987年に発足し、国家としてのイスラエルを一切認めない強硬な姿勢をとってきており、武力闘争を掲げて自爆テロなどを行いました。
過激に見られる反面で、市民への福祉活動を行うなど、市民の支持を得ています。
そしてパレスチナの穏健派の政治勢力「ファタハ」との武力闘争をへて、2007年からはガザ地区を実効支配しています。
ハマスは、アメリカやEU=ヨーロッパ連合などからテロ組織に指定されており、イスラエルによる厳しい経済封鎖が行われているにも関わらずに武器を調達しています。
裏ではイランからの支援を受けているとも指摘されています。
なぜ今なのか
なぜこのタイミングでハマスが攻撃をしかけたのかは、明確にはわからないとされています。
ですが、ハマスが攻撃を開始した10月7日はユダヤ教の重要な祭日ということもあって、イスラエルからすれば不意をつかれた状態だったでしょう。
また、実は前日の6日は、50年前にイスラエルがエジプトとシリアによる攻撃を受けたことによって勃発した第4次中東対戦の開戦日だったことも関係しているのかもしれません。
各国の受け止め方の違い
今回の戦争を巡り、欧米とアラブ諸国では受け止め方に違いがでているようです。
イタリア、アメリカ、ドイツ、フランス、イギリスは電話会談を行って、イスラエルの支持とテロ行為を非難する共同声明を発表しています。
一方で、アラブ諸国はイスラエル側を批判している状況となっています。
現時点では事態が収拾する兆しがないと言えます。
今回の戦争については、過去最大規模の戦争になっていると言われています。
今後どうなる?
専門家の見解としては、攻撃の規模は縮小していくが、停戦が成立するまでには一定程度の期間がかかるとされています。
これまで、軍事衝突のたびにエジプトやカタールが仲介工作を行ってきましたが、今回、エジプトやカタールを含めるのかどうかまだわからないようです。
双方の条件を出し合って、ということになると思いますが、ガザでもともと人質になっているイスラエル兵の動向、ハマスにすればイスラエルの刑務所にいるパレスチナ人の政治犯、囚人の解放を条件として出してくると考えられているようです。
停戦・人質の解放交渉という流れは時間がかかるようです...
今後は日本も様々な支援を行うことが考えられます。
早くこうした状況を打開する策が世界的に行われることを願うばかりです。